Vol.11

 今年は残暑が厳しく、8月下旬でも連日30℃を超える暑い日が続いている。水稲も例年より10日程早く刈り取り時期を迎えた。8月に刈り始めた農家もあるようだが、古老の話では8月の稲刈りを見たのは初めてのこと。昨年に続いて豊作を期待できるとのことだが、コメ余りで新聞等で青刈り(減反扱いで10a当たり40000円程の奨励金がもらえるらしい)をしている農家の記事を見ると複雑である。コメの価格も高いとき60s23000円もしたのに、年々下落し15000円近くになってしまったようだ。農家も大変である。
 写真は上川名付近から町の最高峰「愛宕山」と猪倉山方面を撮影したものである。田植えから初夏までの爽やかな緑、秋の黄金色と、水田はブナの森と同じように平地の森である。農業の担い手の不足、農業経営の厳しさ等を考えると、集落の水田がいつまでもこのように保全されていくのだろうかと、心配になる。恥ずかしながら私も自分の水田を地元の専業農家に委託して10年になる。この先も請け負ってもらえるかどうかはわからない。水田だけでなく、高齢者だけの農家の増加、適齢期を過ぎての独身男性の増加、少子化など、年々農村を取り巻く環境は厳しくなってきている。