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                  千葉県松戸市から


桜緑の風に吹かれて

  二月に亡くなった叔母の百か日の法事で、里帰りしました。待っていたのは、母の育てた色とりどりの花々とシンビジュームが所狭しと咲いていて嬉しくなりました。
 叔母の散歩コースだった船岡城址公園を『樅の木』まで歩き、四月に植樹していただいた私の苗木も見て参りました。
 山々は新樹となり、太陽の光を透かして見えた桜の葉は花にも劣らぬ輝きで、かぐはしい緑の風につつまれました。
 樅の木の所で眼下に広がる白石川の流れと堤と桜並木、土手内の家々と緑の山々をスケッチしながら木漏れ日の森林浴が心地よい。
 先日、南フランスでルノワールの晩年の家カーニュやピカソの住んだヴァロリスで豊かな自然が、かの巨匠達の芸術の泉だったと確信しました。そして船岡の山と川のある風景は勝とも劣らない四季折々の美しさと恵みがあります。
 ピカソのwar and peaceの一部を描き加えました。夢を見ていたような穏やかな船岡から、雑踏と喧騒の松戸に戻り,お土産の掘りたての竹の子でご飯を作り、焼きカレイ、笹かまぼこ、ゆず酒で、あの緑の香りの風を思い出しているところです